第59回日本糖尿病学会 2016.5.19

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毎年学会に発表してる日本糖尿病学会に行ってきました。今年は京都で3日間ありました。発表内容は昨年に発表した糖尿病性末梢神経障害の続きです。

糖尿病の代表的な合併症は細小血管障害;小さい血管の病気として 末梢神経障害と網膜症と腎症があります。そして大血管障害;大きな血管の病気としては脳梗塞、心筋梗塞等の心臓脳血管障害があります。あと糖尿病は悪性腫瘍、癌も合併します。現段階で糖尿病のコントロールをよくすれば明らかに抑制できると結果がでてるのは細小血管障害で、指標であるHba1cでいうと7%以下にすれば発症率はへります。

私の発表している末梢神経障害の症状は 特に足の痺れ、異常感覚とかです。よく糖尿病になってから合併症がおこるまで足が5年目が10年 その後腎臓が15年とよく言います

末梢神経障害は痺れとかの感覚ですので、評価するのが難しく、有効な検査方法がありませんでした。代表的な検査は足の筋肉に針を刺して電流を流す乱暴な実験でした。そこでより簡便で数値で評価可能な方法を日本光電がみつけて、実践的に使用され、当院でその効果を確認しております。

昨年の発表は当院でのこの検査結果ですが、実臨床の測定方法としては問題なし、役にたつことがわかりました。今年の発表では2年連続して測定して 末梢神経障害の変化は遅いことを見つけました。当たり前のことですが、症状のある人、神経障害の進んでいる患者さんは検査値が悪い傾向がきちんとでました。糖尿病性神経障害は足のほうが手より早くでることがわかりました。禁煙が神経障害をよくすることがわかってきました。 この検査方法での200例での検討は全世界で当院のみの発表となっております。

9月の欧州糖尿病学会で発表が決まりましたので 9月ミュンヘンで発表します。今後の末梢神経障害の展開は禁煙することによって本当によくなることの証明と 末梢神経障害の薬があるのでそれがどこまで効果があるのかを検証したいと思っています。

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私が以前から懇意にしているイタリア ピサ大学のフェラニーニ教授とも再会しました。国際糖尿病学会の理事で今回の学会でも昼のランチョンセミナーの一番大きいホールを使い、座長も今回の最高責任者がやっておりました。やはり世界で最も権威のある先生でした。

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私がフェラニーニ教授を見つけて 挨拶に行くと”高橋”と呼んでくれてハグしてくれました。上記はその時の写真です。イタリア人はとても気さくです。今後も仲良くさせていただきます。

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私京都がとても好きです。
中でも広隆寺には年に一回は行きますし、京都=広隆寺、弥勒菩薩半跏思惟像のイメージが私にはあります。広隆寺にはほかに薬師如来を守る十二神将があります。我々医師には薬師如来は我々の仏ですね。みると力がでます。薬師如来のすけさん、格さんである 月光菩薩 日光菩薩なんかもみていると 元気がでてきます。私が仏像で一番すきなのは弥勒菩薩ですから。みていると吸い込まれる気がします。なんせ1000年以上も前から世の中に作られたもの、それを今私がみている。。 いつも前に座って静かに瞑想しています。弥勒は現在仏であるゴータマ・ブッダ(釈迦牟尼仏)の次にブッダとなることが約束された菩薩(修行者)で、ゴータマの入滅後56億7千万年後の未来にこの世界に現われ悟りを開き、多くの人々を救済するとされています。弥勒(みろく)とは、慈から生まれたものという意味です。「生あるものすべてを救うという菩薩」です。全く私の思いですね
京都が好きになった理由は中学の塾長の影響です。私が医学生であったころ塾長は東寺によく連れて行ってくれました。それはガラクタ市でしたが、その時に東寺のわが国現存最古の密教彫刻の一群をみて 塾長の説明を聞いたときはワクワクしました。仏像の一群が大日如来を中心に その横に主に菩薩がいて、明王と十二神将がいる。とても力強くおもしろいんです。また大きな薬師如来と月光菩薩、日光菩薩が東寺にはあり、非常に医師には行くべき寺だと思いました。

今後も学会発表継続します。京都もまた行きます。

 

 

 

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