中部労災病院 上條先生の講演会でした。私が司会でなかったので、今回はとても気楽なつもりで参加しました。名刺交換する時も気楽でした。勉強会が始まるにつれ これって私の研究しているテーマだ!! てことに気づきました。いろいろ勉強させてもらっている馬場先生の弟子の先生でした。本当にびっくりしました。自分の勉強のためにもスライドを提示します。マニアックななので一般人が理解できなくて当たり前ですので、興味にある方だけこの先をお読みください。
糖尿病性の末梢神経障害は おもに足のしびれからくるのですが、その機序はあまりわかっておりませんでした。糖尿病の最初にくる合併症としてもしられており、コントロールをよくすれば改善することがあります。この障害が進行すると全く感覚がなくなり、足に傷ができても痛くなく、足が腐ってきても放置され、結局は切断になることが従来ありました。早期に発見して足をよく観察すること、勿論糖尿病を良くする意識を高めるために早期発見が大事です。末梢神経障害が早期発見できない理由は判断する検査が痛みを伴う検査であったためです。痛みが少なく簡便で適切な評価方法、検査方法がなかったのです。最近その検査方法が開発されてきて、当院でもその評価をしているところなのです。
足の神経について具体的に話されていました。足の先に来ている神経を太さをもとに分類したのが次の写真です。
でAδとC繊維だけは皮膚の表面まで来ています。そして糖尿病が進行するとまず皮膚の表面の神経線維がなくなることがもう証明されております。ですから痛覚と温度感覚が最初に障害されます。
検査方法として従来の神経伝道速度をはかるものでは皮膚表面まできている神経線維を見ていないので早期の障害が見つけれませでした。我々がおこなっている方法(AδとC繊維を選択的に調べる)では早期に発見できます。しかしやや検査方法が複雑なので今後の工夫が必要です。
写真がぼけてすみませんが、しびれの来る機序が書いてあります。残りの写真は治療です。
実はこの薬の効果判定にも 我々の測定方法は優れていています。 臨床的には症状的には効果がないと思われていた薬でも効果があることが今回わかりました。まだこれからの検査方法ですが、今はもう保険的に国で認められています。今後も継続して調べていきます。 上條先生には 物凄く感謝ですし、こんな近くに同じことをやっている先生がいて、実際会えたことに深謝しております