糖尿病新薬の海外臨床試験を講演してきました 2010.10.1

2015-10-01 21.06.40
本年9月私が行ったスエーデンでの欧州糖尿病学会で発表があった ENPA-REGの発表を同門の医師を相手に講演してきました。昨年発売の糖尿病新薬SGLT2阻害薬の大規模臨床試験です。今回この臨床試験の結果は素晴らしいものでありました。 糖尿病の薬の中でこれほどまでに心不全死亡、心筋梗塞を減らした薬はありませんでした。今までの糖尿病の薬は糖尿病のコントロール(HbA1c)をよくしても全死亡率をもここまで明確に下げた事実はありませんでした。ただこの薬は尿に無理やり糖をだす薬で 既存の薬のようにインスリンに直接的に作用するのではなく、腎臓に作用する特徴的な薬です。その副作用もあり、日本ではあまり処方されていないのが実情でした。日本でこの薬の開発がさかんで、7種類ある薬の半分くらいは日本の製薬会社が製造元なので製薬業界も結構焦っていました。
 HbA1cは 0.4%前後しか軽快しませんが、どちらかというと利尿剤(尿が出る薬)として心臓能力をよくしているようです。糖尿病の薬でなく、循環器の薬の印象です。医師間で聞いてみると 名古屋では当院はこの薬をすごくだしているクリニックとのことでした。SGLT2阻害剤の一つが良い結果がでただけですので、これがこの種類の薬の特徴なのか、この薬だけの作用なのかは今後でくる他の薬の大規模臨床試験の結果待ちです。
 今後も糖尿病の患者さんに有効な成績がでるといいですね

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