たかが咳、されど咳

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 昨日緑区医師会で毎月開催される 第359回緑医学研究会に参加しました。実は私は緑区医師会学術委員でして、もう一人の学術委員の先生と交互に司会をしています。今までは参加しているだけでしたので気楽でしたが、今は一番前の席で真剣です。研究会終了後に質問の時間を作るのですが、シーンとしては演者の手前まずく講演中は必死に質問を考えておりますので超真剣です(笑)。寝てる暇などありません。

 ところで今月のお題は咳でした。夏目漱石も咳で悩んだようです。講師は川崎医大の宮下准教授でした。とても歯切れのよい、物凄く好感のもてる先生でした。
 冒頭に 愛知県には咳に詳しい先生が集まっており、咳診療では間違いなく日本の中心です、と話されました。我が母校名市大の呼吸器内科の教授新美先生も咳の大家です。新美先生に至っては緑市民で外来をやっていただけているので緑区でも大家に受診可能な状況です。以下は講演の要約です。
 今シーズン、インフルエンザは流行していますが、重症となる場合は少ない。ただCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の方は重症化する傾向があると。喫煙歴のある方はほぼ100%COPDになるとのこと。風邪を引くたびに命が縮まるそうです。やはり禁煙ですね。

咳の原因は感染性のものと非感染性のものに大別され、感染性のものではウイルス性のものが大半をしめています。ウイルス性は3週間あれば一般的には軽快していきますが、難治性の場合にはマイコプラズマ、クラミジア、百日咳を疑うとのこと。クラミジア、百日咳は迅速診断は不可能で症状と診断的治療にての判断となるとのこと。非感染性で遷延するのは咳喘息・アトピー喘息、逆流性食道炎で、これぞ名市大新実教授の専門分野だそうです。

インフルエンザに罹りやすいかどうかは 鼻粘膜にsIgAがあるかどうかだそうです。sIgAを作り出すのにマクロライド系抗生剤が有効だそうです。予防ができるということです。ただ保険診療的には不可能なので一般診療では困難とのことです。

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