緑医学研究会に参加してきました。消化管内科の勉強会です 2015.6.23

2015-06-23 20.35.40
 毎月行われている緑区医師会の勉強会、私が担当の会です。今回もとても面白く、復習になる勉強会でした。専門的になりますが、日本では食道に胃粘膜がのぼっていくのをバレット上皮といいます。アメリカでは食道のバレット上皮に食道腺がんが発生する可能性が高いことが報告されています。日本も最近は同様な報告がありますが、自分の臨床的経験ではまだそれほど高率に食道癌が発生するイメージはありません。ちなみに食道がんのリスクファクターは50歳以上男性、喫煙 飲酒といわれております。逆流性食道炎の治療は現在PPI(薬の種類)が主流で最近武田薬品から効果の高い薬がでました。当院でも使っていますが、効果強いですね。
 その後ピロリ菌の話になりました。日本ヘリコバクターピロリ学会では胃内にヘリコバクターピロリを確認したら全例除菌治療の対象となると勧告をだしております。主に胃癌の予防が目的です。現在日本では慢性胃炎及び潰瘍があればヘリコバクターピロリの除菌治療に関して保険診療扱いになります。若い年代は胃酸分泌能力が旺盛なのでヘリコバクターピロリ除菌治療後に数%逆流性食道炎が発生すると言われています。ピロリ菌は胃粘膜を老化させる作用(胃粘膜萎縮)をもっており、高齢になって胃全部が胃粘膜萎縮状態になると胃癌になる確率が少なくなります。超高齢者では除菌をする必要性が減るわけです。ですから若年者と超高齢者での除菌治療の適応はやや注意が必要であるとのことでした。”

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