ヘモグロビンA1C

ヘモグロビンA1Cについて

ヘモグロビンA1cってなあに?~糖尿病と血糖値の指標~

当院のホームページをご覧いただきありがとうございます。

今回は、糖尿病の検査でよく耳にする**「ヘモグロビンA1c(エイワンシー)」**について、患者様にも分かりやすくご説明したいと思います。

ヘモグロビンA1cは「過去1~2ヶ月の血糖値の平均」を示す数値です

糖尿病の検査では、採血をして血糖値を測りますね。血糖値はその時の体の状態によって変動します。例えば、食事を摂れば上がりますし、運動をすれば下がります。

しかし、ヘモグロビンA1cは、採血した時点の血糖値ではなく、過去1~2ヶ月間の血糖値の平均的な状態を示すとても便利な数値なんです。

なぜ過去の平均がわかるのでしょうか?

私たちの血液中には「ヘモグロビン」という、酸素を運ぶ大切なタンパク質があります。このヘモグロビンは、血液中のブドウ糖(血糖)と結合する性質があります。

血糖値が高い状態が続くと、ヘモグロビンとブドウ糖がたくさん結合します。一度結合したヘモグロビンとブドウ糖は、赤血球の寿命(約4ヶ月)が尽きるまで離れません。

そのため、ヘモグロビンA1cの値を測ることで、過去1~2ヶ月間の血糖値の推移がわかるのです。

ヘモグロビンA1cが高いとどうなるの?

ヘモグロビンA1cが高いということは、過去1~2ヶ月間、血糖値が高い状態が続いていたことを意味します。血糖値が高い状態が長く続くと、血管が傷つき、さまざまな合併症を引き起こすリスクが高まります。

具体的には、以下のような合併症が考えられます。

神経障害: 手足のしびれや痛み、感覚の麻痺など
網膜症: 目の奥の血管が傷つき、視力低下や失明のリスク
腎症: 腎臓の機能が低下し、最終的には人工透析が必要になることも
これらの合併症を防ぐためにも、ヘモグロビンA1cを良い状態に保つことが非常に重要です。

ヘモグロビンA1cの目標値

日本糖尿病学会では、ヘモグロビンA1cの目標値を以下のように定めています。

合併症予防のための目標:7.0%未満
治療目標:6.0%未満(ただし、患者様の年齢、罹病期間、臓器障害の状態、低血糖の危険性などを考慮し個別に設定)

ご自身のヘモグロビンA1cの数値がどのくらいで、どのくらいの目標を目指すのかは、医師とよく相談して決めることが大切です。

ヘモグロビンA1cを良い状態に保つには?

ヘモグロビンA1cを下げるためには、毎日の生活習慣の改善が欠かせません。

食事療法: バランスの取れた食事を心がけ、過食を避ける。
運動療法: 無理のない範囲で、継続的に運動を行う。
薬物療法: 医師の指示に従い、適切に薬を使用する。

当院では、患者様一人ひとりに合わせた治療計画を立て、管理栄養士による栄養指導なども行っております。ヘモグロビンA1cの数値についてご不安な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。一緒に目標達成を目指しましょう。