秋から冬へ 健康に過ごすための心得
秋から冬へ 健康に過ごすための心得 —— 糖尿病患者さんが注意したいこと(コロナ・インフルエンザ対策も含めて)
季節は秋から冬へと移り変わり、朝晩の冷え込み、乾燥、室内外の温度差などが体調に影響を及ぼしやすくなります。とくに糖尿病をお持ちの方にとって、この季節の変化は血糖コントロールや感染症リスクにとって厳しいチャレンジとなります。
ここでは、「秋冬を健やかに過ごす」ための具体的な心得と対策を、最近の新型コロナウイルス・インフルエンザの流行動向も踏まえながらお伝えします。
1|気をつけたい「温度変化と血糖の乱高下」
秋から冬にかけて、屋外と室内の温度差が大きくなる日が増えます。暖房の効いた室内と冷たい屋外を行き来することで、自律神経が刺激され、血管収縮・拡張が起こりやすくなります。これが、血糖値の変動(上昇・下降の乱れ)を招く要因になります。
- 暖房を使う際は、室温を一定に保つ(目安:18〜22℃程度。ただし体調に応じて調整)。
- 厚手の羽織ものや重ね着で「温度差緩和」を工夫。
- 就寝時・起床時の寒暖差に備えて、保温性の高い寝具や湯たんぽの活用も有効。
これらを心がけるだけでも、血糖の急変動リスクを軽減できます。
2|栄養・食事面での工夫 — 「糖質・水分・たんぱく質」
🍠 糖質の選び方と時間配分
秋冬は旬の根菜・イモ類・かぼちゃ・さつまいも類など、糖質を含む食材が増えます。これらをまったく避けるのではなく、上手に取り入れることが望ましいです。
- 主食は「玄米・雑穀米・全粒穀物」にする
- いも類・かぼちゃ類は「量を控えめに、野菜やたんぱく源と一緒に」
- 食べる順番は「野菜 → たんぱく質 → 主食」の順で(“ベジファースト”)
- 間食は、糖質過多にならないよう、ナッツ・チーズ・ヨーグルト・無糖豆乳などを選ぶ
💧 水分・ミネラルの確保
寒さで喉の渇きを感じにくくなるため、水分摂取量が不足しがちです。糖尿病患者さんは、高血糖時には尿量が増えやすいため脱水しやすい傾向もあります。
- こまめに、少量ずつ水分補給(白湯・麦茶・温かいお茶など)
- スポーツドリンクや清涼飲料は糖分に注意。低糖タイプか希釈使用
- ナトリウム・カリウム等のミネラルも不足しないよう、食塩控えめながら野菜や海藻で補う
🥩 たんぱく質・脂質もしっかり
寒さが強くなると代謝が上がるため、たんぱく質の確保も重要です。筋肉量を維持するため、毎食に良質なたんぱく源を取り入れましょう。
同時に、良質な脂質(オメガ3系魚、ナッツ、オリーブオイルなど)を適度に摂ることで、温まりやすく、体の抵抗力も支えられます。
3|運動と休息のバランス — 寒さを味方に
寒くなると、運動量が減りがちですが、適度な運動は血糖コントロールにも気分・睡眠にも良い影響を与えます。
- 屋内でできる軽い体操・ストレッチ(深部の筋肉を動かすような動作)
- 家庭内での階段昇降、踏み台昇降なども取り入れやすい
- 食後30分ほどの散歩(寒すぎない時間帯・服装を工夫して)
- 日中の自然光を取り入れ、体内時計を整える
十分な休息と睡眠も不可欠です。寒さや乾燥で眠りが浅くなりやすくなるため、寝室環境(室温・湿度・光)を整えることを意識してください。
4|ウイルス・感染症対策 — コロナ・インフルエンザを念頭に
秋冬はインフルエンザの流行シーズンであると同時に、新型コロナウイルスとの同時流行も懸念されています。行政・医療機関も、これに備えた対応を呼びかけています。厚生労働省+2NHK+2
🔍 感染リスクを下げる基本対策
- 手洗い・うがい・アルコール消毒の励行
- 咳エチケット(マスク・ティッシュ・肘うち)
- マスク着用:公共交通機関・病院・密な場所では装着を検討
- 換気:定期的な窓開け換気、空気清浄機の活用
- 混雑回避:ピーク時間帯の外出は控えめに
💉 ワクチン・予防接種
- インフルエンザワクチン:毎年の接種を検討(高齢者・基礎疾患者優先)
- 新型コロナワクチンの定期接種・追加接種も、最新の公的勧奨に従う
- ワクチン効果には個人差があるため、接種後も基本対策を怠らない
⚠️ 体調不良時の対応
発熱・咳・倦怠感など風邪様症状が出た場合は、無理せず自宅安静・医療機関受診を検討。
特に基礎疾患を持つ方・高齢者は重症化リスクが高いため、早めの対応が重要です。厚生労働省
医療機関が混み合いやすいため、オンライン診療やかかりつけ医との相談も有効です。
5|日常生活の “ちょっとした心がけ”
以下は毎日続けられる、小さな習慣です:
- 室内湿度50〜60%を目安に加湿
- 室内靴・スリッパを使い、足もとを冷やさない
- 手荒れ予防:手洗い後の保湿クリーム使用
- 栄養バランス:ビタミン・ミネラルを補う多様な食材選び
- 心の余裕をもつ:読書・音楽・瞑想などでストレス軽減
- 定期的な血糖チェックを怠らず、異常があれば早めに医師へ相談
まとめ:秋冬を安心して過ごすために
秋から冬へ。気温・乾燥・ウイルスの脅威…変化の多い季節だからこそ、日常の「ちょっとした注意」が健康を守るカギになります。
糖尿病をお持ちの方にとっては、血糖管理+感染症予防の両立が求められます。
無理なく、自分のペースでできることから取り組んでいただければと思います。
もし体調に不安を感じたとき、あるいはこの季節の過ごし方についてもっと知りたいことがあれば、いつでもご相談ください。
(終わり)
